XviveのギターワイヤレスA24を試してみました。YouTube動画では触れきれなかった点も含め、ここに整理しておきます。さて、様々なメーカーからコンパクトなギターワイヤレスが出ています。昨今では「通信がつながる、つながらない」というような、ワイヤレスが生まれた頃の問題点は考える必要がなくなってきました。つながって当たり前、という水準が標準になったように思います。シールドコードと比較してもわからないほどの使い心地。そのうえで音質の向上、本体の軽量・コンパクト化、頑丈さ、その他の機能などで差別化されてきたように感じています。

私はこれまで同社のギターワイヤレスU2をずっと使ってきました。家やスタジオの練習だけでなく、ライブハウス、屋外ステージなどで使いましたが、通信や音声のトラブルは発生していません。A24がU2の後継機なのか、別シリーズなのかは分かりませんが、U2より性能が高くなっていますので特に心配せずに乗り換えることができました。本体がやや小さくなり、もっと扱いやすくなりました。
Xvive A24の特長
ギターおよびベース向けに設計された2.4GHzデジタル方式のワイヤレスシステム。音声伝送は24bit/48kHzで行われ、最大通信距離は約30m、レイテンシーは5ms未満。ライブ演奏やスタジオ練習においても音の遅れや変化を意識することなく使えます。また、周囲の電波状況を検知して最適なチャンネルを自動選択する機能を搭載し、ワイヤレス機器が多い環境でも安定した通信が可能。高出力なアクティブピックアップへの対応やバッテリー交換が可能な構造など、実用性と長期使用を意識した設計が特徴のモデル。バッテリーはフル充電で約5時間使えます。
Xvive A24の便利な機能など
最適チャンネルの自動選択
A-24には6チャンネルが用意されています。便利なのは自動スキャン機能です。受信機側でSCANボタンを長押しすると、周囲の電波状況をスキャンし、もっとも安定するチャンネルを自動で選択してくれます。これは、ライブハウス、スタジオ、またはライブ会場などワイヤレス機器が多い環境で非常に便利な機能です。また「ワイヤレスは設定が面倒そう」「よく分からないと失敗するかも」という、機械が少し苦手な方でも使いやすいと感じました。

アクティブピックアップ対応
アクティブピックアップは、内部にプリアンプを内蔵しており、出力レベルが高いという特徴があります。安価なワイヤレスや、入力設計に余裕のないモデル、もともと対応していないモデルでは、入力段階で信号が飽和し「音が飛ぶ」「音が途切れる」「音が歪む」というような問題が起きます。A24は、この大きな入力信号を想定した設計になっています。結果として、クリーンが潰れない、歪みが不自然にならない、ピッキングニュアンスが残るという、当たり前だけど実現が難しい部分をクリアしています。操作はMODEボタンを長押しすればアクティブの入り・切りを変えられます。

バッテリーの点検・交換が可能
どんなに大切に取り扱っていても、長期間使っていると内蔵バッテリーが劣化してきます。フル充電しても使える時間が短くなってしまうのです。多くのワイヤレス機器は、「バッテリーが劣化したら実質使い捨て」という構造のものが多かったように思います。A24は違います。特殊なネジではありますが、裏ブタを外すと簡単にバッテリーにアクセスできる造りになっています。メンテに出せばバッテリーを交換して長期間使えます。ワイヤレス本体の価格帯を考えると、これは非常に重要な設計に思えます。

ケースが付属している
これは個人的に評価が高いポイントです。移動時にガタガタする状態で運ぶと振動で壊れそうで不安です。送信機か受信機が片方だけなくなっても困ります。長く大切に使うためには収納方法にもこだわりたいところです。付属のケースはかなり頑丈です。本体を入れると、ほとんど遊びがないので本体が振動で壊れるようなトラブルは避けられると思います。

【仕様】でわかる 有線と同じ感覚で使える理由
普段は説明書すら見ない私ですが、仕様の数字や記号の意味を調べてみました。有線と変わらない感覚で使える理由が見えてきました。なぜ、ワイヤレスで「有線と変わらない」と感じるのか、アクティブピックアップで問題なく使えるのか、演奏中にストレスを感じないのか・・・ そうした体感を数字で見た時に納得することができました。同時にシールドケーブルとワイヤレスの違いを確かめることが、もう無意味だとも知りました。
24bit / 48kHzの意味
まず音質に関わる一番基本的な部分です。24bitは「音をどれだけ細かく記録できるか」を表す数値で、簡単に言うと小さな音から大きな音までをどれだけ余裕をもって扱えるか、という指標です。数字が大きいほど、弱く弾いた音と強く弾いた音の差を無理なく表現できます。ギターで言えば、クリーンの繊細なタッチから強いピッキングまで、潰れにくく自然に出せるということです。
48kHzはサンプリング周波数で、アナログの音を1秒間に何回デジタルに変換しているかを示します。48kHzなら1秒間に48,000回音を読み取っている計算になり、音の立ち上がりや細かな揺れをより正確に捉えられます。CDは16bit / 44.1kHzなので、数値上はA24の方が音の情報量も解像度も高い設計です。その結果、弦を弾いた瞬間のアタック、ピッキングの強弱、歪ませたときの倍音の出方まで、不自然さを感じにくくなります。「ワイヤレスなのに音が痩せない」と感じる理由は、こうした基本性能にしっかり余裕があるからです。
レイテンシー 5ms未満
レイテンシーとは、ギターを弾いてからアンプから音が出るまでに生じる時間的な遅れのことです。デジタルワイヤレスでは必ず発生する要素ですが、問題になるかどうかはその数値次第です。A24のレイテンシーは5ms未満、時間にすると0.005秒以下です。この長さは人間の感覚ではほぼ認識できないレベルとされています。参考までに、音は空気中を約1秒で340m進みます。5msの間に進む距離はおよそ1.7mです。つまり、自分とアンプの距離が1〜2m変わるだけでも、それと同程度の時間差が自然に発生していることになります。実際の演奏では、立ち位置やステージの広さによる影響の方が体感には大きく、ワイヤレスによる遅延を意識する場面はほとんどありません。このためA24の遅延は、タイミングや演奏感覚を損なうレベルではなく、有線と同じ感覚で扱える範囲に収まっています。
ダイナミックレンジ 110dB
ダイナミックレンジとは、ノイズに埋もれずに再生できる最小の音から、歪まずに扱える最大の音までの幅を示す指標です。簡単に言えば「どれだけ小さな音と大きな音を余裕を持って表現できるか」という性能の物差しになります。A24のダイナミックレンジは110dBで、これはステージでも不足を感じにくい十分な広さです。演奏時のごく弱いピッキングやボリュームを絞ったクリーントーンでは音が潰れず、逆に強くピッキングしたり歪み系エフェクトを深くかけた場合でも、信号が詰まったり不自然に圧縮された印象が出にくくなります。その結果、クリーンの繊細さと歪みの迫力を同じシステム内で無理なく扱うことができ、演奏表現の幅を狭めないワイヤレスと言えます。
周波数特性 20Hz〜20kHz
周波数特性とは、どのくらい低い音から高い音までを均一に伝送できるかを示す指標です。20Hz〜20kHzという数値は、一般的に人間が聴き取れるとされる音域をほぼそのままカバーしています。ギターの基音や倍音はこの範囲に十分収まっており、理論上は「必要な音が欠ける要素はない」という条件を満たしています。実際の使用感としても、低音が細くなったり、高音だけが不自然に強調されたりする傾向は感じにくく、特定の帯域が削られて音が痩せる印象はありません。ワイヤレス特有の帯域制限を意識せず、ケーブル接続と同じ感覚で音作りができる理由のひとつが、この周波数特性にあります。
S/N比 110dB
S/N比とは、信号(実際に出したい音)に対して、どれだけノイズが小さいかを示す指標です。数値が大きいほど、音に対してノイズが目立ちにくい状態になります。110dBという数値は、楽器用機材として見ても十分に高く、ノイズがかなり後方に押し下げられていることを意味しています。実際の使用では、無音時のサーッというノイズや、音を止めた瞬間のざらつきが出にくく、演奏に集中しやすい状態が保たれます。特にクリーントーンでは音の透明感を損なわず、ハイゲイン時でも不要なノイズが増えにくいため、歪みの質感そのものを素直に扱える点が重要です。※ギター側、エフェクター側で出ているノイズを消すものではありません
まとめ
Xvive A24は、初心者にも使いやすい設計のワイヤレスだと思いました。電源を入れて差し込むだけで使え、複雑な設定や専門的な知識が必要ありません。一方で、音質や遅延、入力設計といった基本性能はしっかり作り込まれており、「よく分からないまま使っても失敗しにくい」という安心感があります。最適チャンネルの自動選択や、アクティブピックアップに対応した入力の余裕は、経験の浅いユーザーほど恩恵を感じやすいポイントです。昔のワイヤレスのような弱点は解消されています。さらに使い込んでみようと思っています。




コメント